2021年7月20日

滋賀県の施策〜交通税、死生懇話会、短期居住

 今日、明日と滋賀県大津市の国際文化研修所(JIAM)の研修に参加しております。令和3年度 市町村議会議員特別セミナーというタイトルで、4人の講師から各テーマでお話を拝聴します。

 本日第1講義は、滋賀県知事三日月大造知事が講師で、「ほんとうの意味での『健康しが』へ」というタイトルでの講演でした。

三日月知事は、一橋大学の経済学部を卒業後JR西日本に入社し、最初に岩国駅で駅員として会社員生活をスタートされたそうです。その後、松下政経塾を経て、国会議員になり、政党政治の限界を感じ、知事になられたそうです。

本日が、知事になられて、ちょうど7年の節目とのことでした。列車の運転ができる知事は全国で自分だけ。今は、滋賀県の運転をしています、と笑顔で話されました。

さて、健康政策については、前回の三日月知事の講演を元に、すでに金沢市議会で一般質問させていただきました。高齢者の図書館の本の貸出率が全国的にも高く、読書と健康の観点から、学校司書の増員を求めた質問です。おかげさまで、翌年度に増員が図られました。

今回は、新たに交通税の検討についてお聞きしました。滋賀県では、近江鉄道線を上下分離方式で公有民営化し存続を図るため、近江鉄道線を軸とした公共交通ネットワークの再編に向けた法定協議会を設置しました。

そして、全線の存続を合意し「公有民営」方式による上下分離への移行を決定し、近江鉄道(株)を第2種鉄道事業者とすることを合意しました。

そしてさらに、現在は、県全体での交通税について検討をはじめられたとのことでした。

その議論を支えるのは、知事の「交通は、人と人の出会いを支える文化の源泉である」という考え方です。人口減少社会一歩手前の滋賀県ですが、やはり、公共交通をどうやって支えるか、という問題は、金沢市とも共通の課題です。

また、県民とともに未来の土壌をつくることを目的に、死生懇話会の開催を決定し、これまでに2回開催されたとのことでした。人生100年時代の到来と多死社会の訪れから「死」と向き合い「生」をより一層充実させることを目的としているとのことでした。

金沢市では、鈴木大拙館におけるイベントや、西田幾多郎哲学館での催しが、それに近い感じなのかな、と思いました。お寺さんの行事でももちろん同様のお話は聞かせていただけますが、行政の行事という点で斬新さを感じました。

最後に、(話された順序では最後ではありませんが)県内短期居住について話されました。県内各地の集落で知事が実際に短期間の居住生活をするといった施策です。ある村では、朝一の電車に乗っても8時半には庁舎に到着できなかったとのことでした。自分で、公共機関での距離感を肌で感じ、また、地域の方と本当に膝を突き合わせて向き合う姿勢は頭が下がる思いでした。

市議と知事では、仕事の内容も全く違いますが、その姿勢に大いに背中を押されるような気持ちになりました。

しっかりと、市民の皆様のお声に向き合ってまいります。

 

皆様のご意見をお寄せください。