2018年6月6日

特別養護老人ホーム能登穴水聖頌園を視察して

 県内の当選時40代以下の市町議員が中心に参加している、いしかわ若手議員の会では、毎月定例会を開き、各市町の行政について、また、各議会について意見交換をしたり、会として取り組んでいる計画やイベントの進捗状況等について話しあっています。同じ石川県内の自治体でもいろいろ違っていて、非常に勉強になります。自分の自治体を客観的に見るのに役立ちます。

 そして、この度は、いつもは金沢市で開催している定例会を、勉強会を兼ねて、穴水町で開催しようという運びとなり、昨日、穴水に行って参りました。勉強会は、いしかわ若手議員の会の会員でもあり、特別養護老人ホーム能登穴水聖頌園を運営している社会福祉法人牧羊福祉会の理事、吉村光輝さんに講師になっていただきました。なお、ユニット型の増設を機に、昨年度、石川県議会の視察も受けたとのことでした。

 勉強会のあとには、介護老人福祉施設従来型、地域密着型介護老人福祉施設ユニットからなる、特別養護老人ホーム能登穴水聖頌園の施設内を視察させていただきました。

 上記の特養のほか、認知症対応型のグループホーム(既存建築物を利用)、地域密着型のケアハウス(新築)、小規模多機能型の介護支援事業など、数多くの福祉施設で数多くの福祉事業を行っている牧羊会さんでの雇用者の総数は133名。まず、この雇用者数の多さに驚きました。穴水町以外でも求人をかけて、七尾市、能美市、白山市からの就職の実績もありとのこと。また、ひとり暮らしの新規採用者には、手厚い住宅手当を出し、給与と、自己実現のためのサポート、居心地の良い職場づくりに腐心されておられるとのこと。また、IT等の活用について質問に対しては、現状、補助金の使い勝手が悪いため、あまり先進的には取り組んでいないとのことでした。施設の基本的な考え方としては、利用者さんの過ごしやすさ、利用しやすさを第一に考えておられ、実際にすれ違う利用者さんもストレスなく居られる感じが伝わってきました。けれど、人手不足の状況はこの業界も全国的に厳しく、外国人(留学生ルート、技能実習生)を積極的に雇用したい方向性を業界としても打ち出しているが、世界的な基準の中で、台湾、ドイツなどが言語が話せなくても雇用を促進しているのに対し、日本の基準が高いせいで、雇用が進展していない状況にあるとのお話は、新たな発見でした。現在、ベトナムが日本にとって技能実習生制度の主流になりつつある国ですが、ベトナムの送り出し機関における足踏み状態も、進展していない原因の一つであるとのこと。国レベルの問題ですが、市町の議会においても、勉強を重ね、どういった取組が可能か、考えていく必要性を感じました。

また、特養では今後、「看取り」の役割がさらに増していくとのお話もいただきました。町の中のあちこちで見られる老老介護の現状、公共交通機関と免許返納の課題等も踏まえ、「住まいと老いと町」がここ10年石川県はもとより、全国で大きなテーマになると確信した勉強会でした。

また、穴水町の高齢化率の高さは、金沢市とは比較になりませんが、金沢市の高齢化率もどんどん高まっている現状の中、厳しい財政状況も踏まえ、少しでも、高齢者の皆様が気持ちよく歳をとれる環境づくりについて更に学んでいきたいと思っております。