2017年11月19日

家庭ごみ有料化 ~山出市政から山野市政への観点から~

本日、石川県教育会館にて、‘ストップごみ有料化!市民の声’が主催する家庭ごみ有料化市民説明会が開催された。リサイクル推進課の職員さん3名がまず会場入りし、パワーポイントで有料化の手続きについて説明が行われた。そして、市長自らが会場入りされて、なぜ今有料化なのかを、同じくパワーポイントを使って説明された。市民から見ると唐突に感じる突然の有料化は、実はもっと昔から議論されており、粗大ごみの一部有料化から金沢市の有料化はすでに始っている。全国市長会では平成5年に提言が出され、平成10年には、さらなる推進を提言。11年には有料化の導入・促進を提言されたことに触れられた。

全国市長会。全国の市長の集まりで真の地方分権を目指すため、国に物申す団体。元金沢市長の山出保氏は、平成15年6月から平成19年の6月まで会長を務められた。その役割をしっかり担い、時に矢面に立って国と対峙された姿は多くの金沢市民の記憶に新しく、胸に誇りとして刻まれている。

しかし、全国市長会の会長を務められた山出元市長が、どういう気持ちでごみ行政にかかわられたか。20年前の分別の徹底指導が象徴的に市民の記憶に刻まれている。町会、婦人会に職員が入って行って住民とひざを突き合わせ、一緒になってその施策を進められた。その気概は、やはりトップの姿勢と、本気の分別徹底による資源化、減量化の目的が明確化され、しっかりと共有されていたからではないか。また、全国市長会の長でありながらも、金沢の市民感情と市の状況を冷静に見極めていたから、大きく旗を振ることもなく金沢エコネット等の活動を通じごみ減量化に努められたのではないか。(エコネットが市長が変わりなぜ解散させられたのか、との質問も本日の会場から飛び出していた)

その後、焼却炉が新しくなり、多少汚れたプラスチックは燃やしてよいことになった(施策の転換)。以後、資源化率も減少した。この施策により、市民は混乱し、なんでも燃やせばいいんじゃない、とごみ量も若干の増える傾向を示した。

しかし、ここで問題になるのは、新しくなった焼却炉は発電している、ということ。そして、その電気は売電されている。年間8億円前後の金額が。けれど、有料化の説明会では、減量化のためにまた少しの汚れは洗ってください。そうすれば、ごみは減りますと言われた。(ちなみに、金沢市のごみ行政にかかる費用は年間40億円)

そして、有料化によって14%ごみが減れば、東部エネルギーセンターの焼却炉の建て替えで20~30億円節約できるとのこと。このポイントが、どう考えてもおかしい。20~30億円の節約を目指すのなら、当時の金沢市議会の経済環境常任委員会がまとめた提言どおり、売電収入を基金として積み上げておけばよかったのだ。金沢市は、売電収入は一般会計に入れている。

また資源化率の向上を掲げてはいるものの、市民が個人で古紙回収業者やスーパーなどに持ち込む量については計量されていない。つまり、数字上の資源化率向上にはつながらない。この点も大いに疑問を感じる。(持ち込みされる方が金沢市民に限定されるわけではないとの理由で)

最後に、本日の説明会で市長が退席されてから市民から出されたご意見を紹介します。金沢市が説明会に配布される青いA3冊子に書かれた1.なぜ今、有料化制度の導入が必要なのか、について

(1)はごみを減らすための理由であって、有料化の理由にはならないのではないか。

(2)昨年のごみが減少したと報道もされているのに、ごみ排出量が依然として減少しておらず、との表記は訂正してほしい。

(4)将来世代の負担軽減は、市民全体で共有すべきもので、ごみによって論じられるべきものではなく、税制全体で考えるべきではないか。

(5)公平性の確保といっても、家族が多いとごみは増える。親二人は収入はあっても子どもは収入がない。高齢者で収入がない人もいる。高齢者や子どもは、国の宝と言われるが、本当に公平性が保てるといえるのか。

議会傍聴をしたが、議員のまともな質問に、市長がまともに答えていなかった。とのご意見も。

先日の議会改革の基本として言われた「市民の声をしっかり聞く」これは、議員、市長、行政にとっても非常に重要なポイントである。市民との協働を掲げる金沢市政であるから、なおさらである。

 

「家庭ごみ有料化 ~山出市政から山野市政への観点から~」への2件のフィードバック

  1. ゴミ有料化で、抜けているのは、集めた税金を何のために使うのかです。
    ゴミ有料化は、ゴミを削減とは一致しません。(子供でも分かること)
    ただ、長いものに巻かれろという(全国で決まったから)思いしか見えない。
    地方分権であれば、各市でいろんなやり方があってこそ、市民は選択できるのであり、
    地方分権の意味がある。
    全国でやっているから、やるという、市長のプライドだけの施策しか思えない。
    山野市長は、今後金沢市をどこに向かって舵を切ろうとしているのか、全く見えない。
    雇われ市長であるのか?
    幾つかの施策を市民フォーラムとして説明を行ているが、議論にはならない。
    決まったことのように進められる。市民参加メンバーを募っても1人から2人しか
    集めない。
    どこがまず聞くことから始めるのか、まったく理解不能です。

    市民をないがしろして、一部の人の意見しか聞かないなら、市長は不要です。
    谷本知事のように選挙のために県政をやっているようなことを、
    金沢市でもやられるなら、お先真っ暗ですね。

    熊野さん、頑張ってください。

    1. 今井様 コメントありがとうございます。12月議会にてもごみ有料化に関する質問をしたいと思っております。お時間のご都合がよろしければ、是非、傍聴にいらして下さい。

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