第9回 金沢自転車ネットワーク形成に向けた勉強会に参加して

12月21日、金沢市文化ホールにて開催された勉強会に参加してきました。金沢市は、現在、第2次交通戦略に向けて始動していますが、なにぶん市民の皆様のご意見が多岐に分かれ、たくさんの方のご意見をお聞きすればするほど、この交通問題の難しさに直面します。けれど、悩んでばかりいられません。私自身も解決の糸口を見つけるべくこの勉強会に参加させていただきました。

基調講演は、株式会社フジクラ健康社会研究所の浅野健一郎代表取締役による「健康経営における自転車通勤のすすめ」日本企業の社員の働く意欲が極端に低い現状、日本社会の高齢化と社会保障制度の課題、会社の人手不足解消のための高齢者雇用増加予測等を踏まえたお話は、データをふんだんに駆使された説得力のあるものでした。

特に印象に残ったことは、認知症の原因について、高齢化が大きな比率かと思っっていましたが、運動不足が大きく関連しているというお話。例えば、椅子に座っているだけでも海馬はわずかながらも萎縮していくとのこと。そして、自転車通勤をする社員のやる気が、自動車通勤の社員より有意に高いこと。帰宅後の自宅でのモチベーションも自転車通勤者が有意に高いことが示されたことは、ライフワークバランスの観点からも、自転車通勤の有効性が高いことが言えると思います。そして、社員の健康経営の実践により、会社の売上、利益とも大きく伸長していることが報告されました。

この後、京都市における自転車施策を、京都市自転車政策対策室の室長に報告していただき、さらに、地球の友・金沢(地球の友は、フランス、スウェーデン、イングランド、米国の4つの組織によって1971年に設立された国際環境NGOである。世界最大の草の根環境団体のネットワークであり、75ヵ国の組織と5000の地域団体がつながっている)、金沢河川国道事務所、石川県土木部道路整備課、金沢市都市政策局交通政策部 歩ける環境推進課からそれぞれの取組について報告がされました。

最後に、「自転車の可能性を探る」というタイトルで、パネルディスカッションが行われました。金沢市校下婦人会副会長、遊学館高校教頭先生、サイクリング協会理事、県央土木と県警本部交通部からそれぞれの担当者様がパネリストとして参加されましたが、このような会に県警本部からの参加は全国的に非常に珍しく、県外から参加された方からはそのプロセス等についても質問が飛び出しました。高山純一金沢自転車ネットワーク協議会会長が、事故を減らす安全交通社会を目指す、という共通目標の確認と、警察から求められた事故減少のための協力で培った信頼関係が基礎にあり、それを踏まえると約25年になる、とのことでした。市民、行政、関係機関の信頼関係がなによりも大切なことを感じました。また、地球の友の三国成子さんは、ネットワーク協議会の基本理念は、人中心の交通体系であることをつよく訴えられました。そして、関係するそれぞれのみなさんが自転車好きであることも大きなポイントとして押さえられました。

金沢市の自転車事故数は、この10年間で71%減少しています。(H30 は192件)それは、これら関連する皆さんの協力があってこその結果です。さらなる安全拡大と、交通政策全般に自転車をどうやって活かすか、また自転車を活かしやすい環境(走行環境)の実現もこれからの金沢にとって大きなテーマになっていくと確信した勉強会でした。開催にあたってご尽力された皆様に感謝申し上げます。

皆様からのご意見をお聞かせください。