昨日から、東京は立川市にて第24回「議員の学校」の勉強会に参加している。4つの講義と1つのワークショップからなり、初日の第一講義、徳島大学名誉教授の中嶋 信先生のTPP「大筋合意」と地域づくりの戦略は、特に興味深いものだった。まず、アメリカのノーベル賞経済学者のジョセフ・スティグリッツ氏のTPP批判。またペルーFTA、韓国FTAが妥結と批准までにかかった時間がそれぞれ23ヶ月/34ヶ月(ペルー)、13ヶ月/57ヶ月(韓国)、それを受けてTPPは妥結までに70ヶ月を要しており、それを元に考えれば批准までの道のりも簡単なものではないことが予測されること。スティグリッツ氏が指摘するように、TPPが参加国に及ぼす影響は、それぞれの国の形を変えてしまうほどの強烈なものであること。他にも、TPP交渉の過程や、これまで明らかになった内容、日本の農業政策についてなど細かくご講義戴いたが、いずれにせよ国民的議論を喚起し、多くの人びとの意見や思いを明らかにしなければならないことをご指摘戴いた。
問題点は多々あることを再確認したことは言うまでもないが、個人的に胸に迫る問題提起の話は、韓国FTAにおいて地産地消にこだわる学校給食がISD条項に触れるおそれがあると指摘された話だ。遺伝子組み換え作物の観点からも当然だが、地域の美味しい食材を学校給食で使えなくなる可能性があるとは、一体何のための地域で、一体何のための「地産地消」なのか。これから取り組みたい学校給食の和食化、地元食材の使用率の増加と、大きくTPPの大筋合意が対立する事態が明確になった今、TPPの問題についてもしっかり問題提起せねばと感じた勉強会でした。
TPPのワークショップでは、新潟県小千谷市、魚沼市、滋賀県日野町、秋田県鹿角市、和歌山県田辺市、福島県会津美里町、東京都多摩市の各地方議員の方々の貴重なご意見も聞かせて戴いた。(他の自治体からの参加議員もおられました)
国の形を大きく変えるTPP。市民福祉の向上との整合性をベースにしっかり勉強し、広く市民の皆様にフィードバック致します。