金沢市は、去る4日、歌劇座でようやく市民説明会を開催しました。議会でも何度も市民に対する説明を求める声が上がりましたが、結局、優先交渉権者(※)が決まった後の開催でした。自分は第1回目となるその説明会には参加できませんでしたが、参加された市民の方から、その様子をお聞きしました。10数名の方が質問されましたが、ほぼ民営化については否定的な意見ばかりであること。その中で特に印象的な質問は、市の職員のOBの方が金沢市が水力発電を手に入れる際、全市全庁全議員が一丸となって取り組まれ、そして金沢市のものとなった、ということ。つまり、その発電所そのものが金沢市の歴史財産であるから手放すなんぞ歴史を軽んずる行為とのご意見。また、大学教授の金沢市のエネルギー政策が見えてこない、看板となるエネルギー政策を掲げたら、簡単に民営化はできないはず、とのご意見でした。
また、優先交渉権者のグループ内の2番めに多くの株式を保有予定の東邦ガスが、このたび、公正取引委員会の調査に入られた事実があることを踏まえれば、当初のスケジュール通り進める大義名分は薄れているように思われます。
昨年の卸売電力の高騰も、まだまだ電力価格の見極めが必要ではないかと思われるひとつの事象です。
また、水道とガスは、工事やメンテナンスする上で、企業局のくくりで一体化し、メリットが大きかった、との指摘もあったそうです。
金沢市には、説明会で出されたこれらの議論の公開もお願いしたいと思います。ガス設備、発電設備が市民の財産であることはもちろんのこと、語られた多くの議論も市民の財産であると思われますから。
説明会は、あと4回開催されます。ぜひ、多くの市民のご参加をお願いいたします。
優先交渉権者(※)とは、金沢市のガス事業・発電事業の民営化にあたり、プロポーザル方式で金沢市と優先的に交渉する権利を得た企業体のこと(今回はいくつかの企業でグループを形成しています)