2021年6月3日

県外からの来客

本日、コロナ禍ではありますが、県外から金沢市内の病院に股関節手術のために来られた方のお話を聞く機会をいただきました。

彼女の話によると、市内中心部の書店にて、自分が探す本棚の前に、ブランド品のリュックを背負った30〜40代の男性が携帯電話をかけながら、彼女の探す本棚の前から動こうとしません。あまりに長電話なので、会話の途中、手でその場所を開けるようにゼスチャーで促し、通話が終わったあとに、彼女いわく、社長と思しき彼に「声が大きすぎませんか、耳障りです」と告げました。

すると、彼は、彼女の杖を指差し「ああそうですか、それも同じくらいに邪魔ですがね」といったニュアンスの言葉を返されたそうな。

足が不自由な人の持つ杖と、大きな声が周囲に及ぼす影響を、同じ土俵にあげるなんて。胸が大きく痛みました、と訴えられました。

地元金沢市の本屋さんでの出来事だから、その男性が金沢市の方とは限りませんが、その可能性は大きいでしょう。手術を前に見知らぬ町で不安な中、そのような言葉に遭遇することは相当なショックだったと思われます。

五体満足な人間が、なんらかの不自由さを抱えて生きられる方の気持ちは容易にはわかりません。だからこそ、想像力をもって、大きな心で接することが必要です。

苛立っていたのかもしれません。感情の高ぶりで自分を見失っていたのかもしれません。

冷静さと寛大さは、常に、そばにいてもらうべき最良の友なのかもしれません。自戒を込めて、お伺いしたお話をお伝えしました。

皆様のご意見をお寄せください。