10月22日、23日と開催された清渓セミナーの2日目。
まず、野村総合研究所顧問で、元岩手県知事、総務相の増田寛也氏の講義。テーマは、「人口減少社会を生きぬくために」。まず、最初に言われたことは、人口増の東京においての課題。「心の過疎化」の問題。地域コミュニティが強い地方のほうが、心の過疎化についてはアドバンテージがあると。しかし、団塊世代のジュニアが定年の年齢を超えると、ある程度の基礎自治体の仕事は、県が面倒を見る必要性について言及されました。能登半島地震を経た石川県でも、加速度的に県の協力を求める声が強くなり、県のしっかりとしたサポートなしでは、能登半島の復興復旧はありえません。また、先の維新の政権入りによって、政府が分権についてどのような態度で方向性を示すのかも注視すべきとのこと。現在、来年の石川県知事選挙について、県内ではニュースになっていますが、これまでの復興復旧の流れがあり、県民一丸となって復興復旧しようという流れの中での選挙については、大いに悩まされます。また、増田氏は、国が勧める二地域居住について、二地域目にもしっかり納税できる仕組みをどう構築するかが課題であることを話されました。また、選挙権についても課題であることを述べられ、こちらの扱いはさらに難しくなると。国は、単純に二地域を行き来するだけでなく、制度的にどのような落とし所にするのかが問題であると。高市政権に移行する状況で、石破政権が進めてきた様々な施策の方向転換が図られようとしていますが、この課題については、石破政権が定めたふるさと住民票登録制度が無難であると思われるので、その延長線上でのさらなる制度的拡充を求めたいと思います。また、さまざまなアンコンシャスバイアスの解消についても触れ、地方のジェンダーギャップについてのアンコンシャスバイアスの解消が進まなければ東京一極集中の傾向は止まらないとのことでした。また、市町村、いわゆる基礎自治体については、国の政治的状況に左右されないよう現在のあり方の維持が望ましい、と話されました。そして、地方自治を財政的に見たときの最大の課題は東京23区とその他の都市との格差が広がりすぎて、その対応がままならないことを挙げられました。ワシントンDCのように、東京23区も、国直轄にすることもアイデアとして示されました。消滅可能性都市という言葉を世に出し、我が国の未来に警鐘を鳴らした増田寛也先生。飽くなき探求と提言は続いています。金沢市も、少子化人口減少の流れの中、様々な施策について見直しや提案を行っていくことの重要性を再認識させていただきました。
皆様からのお意見をお寄せください。