7月12日、金沢市議会経済環境委員会が開催された。自分は今年度、市民福祉常任委員会に所属しているので、この委員会には参加していないが、翌日の北陸中日新聞の記事が気になったので本日、環境政策課に行って幾つかの疑問点を尋ねてきた。
今回は、その報告。
まず、委員会で森尾委員が市内2箇所の焼却施設の売電収入を尋ねた経緯は、市が進めている家庭ごみ有料化の説明会で、ゴミ焼却施設から売電によって市が得ている収入も説明すべきという観点から。
売電は金沢市が年に一度、入札によって業者を選定している。現在入札に加わっているのは、北陸電力、丸紅、エネット(東京ガス、NTTファシリティーズ、大阪ガスが出資している)の3社。平成27年度は西部はエネット、東部は北陸電力が選ばれている。(その前年は西部、東部とも丸紅)入札が行われる前の平成25年度までの北陸電力との随意契約の頃から売電金額は確実に増えている。
市は、売電収入を一般会計に入れている。しかし、議会では平成26年度に再生可能エネルギーの基金として積み上げては、という議論があったが、平成27、28年度と国が100%補助するニューディール基金があるので(国が100%出してくれるのに)わざわざ市で積み上げる必要はないというのが現状の見解。しかし、今後の新たな再生可能エネルギー導入に向けた検討は継続している。
これとは別に、東部エネルギーセンターの焼却施設の更新を含めたごみ処理設備の更新のために市は基金を積み上げている。現在、10億円。東部エネルギーセンターについて言えば、更新時のゴミの量が少なければ少ないほど新規の焼却施設の規模縮小につながり、市の財政健全化につながるとのこと。市は、焼却施設の売電収入より、ごみ減量化に伴う焼却施設の規模縮小に主眼をおいている。
また、市長が自ら赴いた説明会で、家庭ごみ有料化の手数料収入はゴミ処理費用に当てないと明言していたことについても尋ねたところ、手数料収入は環境政策に資する形で地域に還元することを主としており、結果として、議会でも議論されている税金の二重取りを避けるため、とのこと。
さらに、説明会で映しだされたスライドで、市のゴミの量を明示する際、家庭ごみと事業系ごみを一緒くたにしていたことを指摘すると、その通りであったとのこと。先の6月議会で自分が求めた丁寧さは、こういったポイントだったけれど、市長はスライドの数が多く丁寧だ、と主張されていたことは若干がっかり。
また、石川中枢都市圏でごみ行政の連携に関する話し合いについて尋ねたところ、現在、行っておらず、焼却施設や埋立場の設置や利用にあたっては地域の方々の深いご理解と市との信頼関係がベースにあり、金沢市のごみだから受け入れるという地域の皆様に寄り添うことを第一に考えており、中枢都市圏という響きの良さだけで簡単に論議できるものではない、とのこと。
最後にこれまで議論にも上がっていた事業系の紙ゴミについては、指導と啓発、運搬収集業者に対する抜き打ちの検査を年1〜2回行っているとのこと。再資源化可能なシュレッダーの導入や、それによる再生可能なシステムを製紙会社に促すことも上げられた。先の環境審議会で事業系ごみの処分手数料のアップが答申されたが、家庭ごみ有料化と同時に行うとのことで、それまでは据え置きとのこと。
ごみ行政はナイーブな要素があり過ぎて、市民の合意形成は非常に難しいが、少しでも市民の皆様が考える際の参考になれば、とブログに書かせて頂きました。
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