2024年2月14日

令和6年能登半島地震その2

能登地震が元旦という極寒の時期に発災したことから、政府や石川県では熊本地震の経験から、震災そのものより、避難後に避難状況などが原因で死亡する震災関連死を避けるため二次避難を推奨してきました。その甲斐もあり、関連死の増加は、抑えることができました。しかし、ここにきて、石川県では新幹線全県開通、敦賀延伸という大きな経済効果と全国、更にインバウンドの世界の旅行者にPRできる3月16日という記念すべき日が近づいてきました。当然のことながら宿泊事業者も、ここは稼ぎ時とみて多くの旅行者の受け入れに万全を喫したい気持ちです。県当局も、被災住民に対し、二次避難からみなし仮設住宅等への移住促進を訴えます。とはいえ、まだまだ、心のケアや、食事や体力の回復、今後の生活再建の見通しも十分とは言えない状況での住まいの変更を求めることは、被災住民、特に高齢の方などにとって厳しいものがあります。個別に丁寧に、課題をいただき、それに応えていく姿勢が必要です。県も、被災自治体の復興復旧に加え、二次避難された方々の状況の把握やケアなど、おそらく手が回らないことが想定されます。さらに二次避難を受け入れている各自治体においても、手いっぱいになっていることも想定されます。全国的に展開する民間のNPOの支援を求めること、相談窓口の充実、心のケアの対策など求められます。

先日発表された日銀の短観では、当然のことながら、北陸、特に石川県の経済の落ち込みが指摘されました。新幹線敦賀延伸は、この落ち込みを上げる一助になる可能性大です。特に県庁所在地の金沢市の経済が大きく落ち込めば、能登の復興は、更に遅れることが想定されます。この難しい状況で、如何に能登を復興させ、経済を回し、人々の暮らしを守るか、知事はじめ、市民県民がそれぞれにできることを考え、やっていかねばなりません。この歴史の1ページは重く、なかなかめくることはできないかもしれませんが、この1ページこそ、価値のある1ページになると信じて。